朝3:30起床。
高所と不規則な生活のため良く寝れなかった。
ドミの他の人を起こさないように、まだ真っ暗な中で準備を済ませて宿の前で迎えの車を待つ。赤茶けた街の通りを黄色い街灯がぽつりと照らす。

Tシャツ、トレーナーにウィンドブレーカーでもまだ寒い。
昼はTシャツ一枚で汗だくになるくらい暑いのだが・・・砂漠の気候。
迎えのバスに乗り込んで2時間真っ暗な道なき悪路をひた走る。そんなガタガタと揺れる車中でもちゃんと寝られる自分を褒めたくなる。真っ暗な中、車が止まったところが「タティオ間欠泉」。頭が重い・・・ここの標高は5400m。人間の対応限界が確か5000m。かなりムチャやわ。気分が悪い。高山病特有の症状。直し方にはいくつかあるんやけど、その一つ目は高度を下げること・・・今はツアーなので却下。二つ目はじっとして寝る・・・高い金払ってここまで来たので却下。三つ目は新陳代謝を上げること。いっぱい水を飲んでいっぱいおしっこをすればいい。郷に入れば郷に従えってことで、地域伝統の直し方、ガイドが用意してくれてたお湯で「コカ茶」を作る。そこに砂糖を溶かし込んで2杯飲む。コカ茶には驚くほどの利尿作用があり、おかげで間欠泉にいる間中タッションしまくり。出るわ出るわ(笑)もう、出しても出しても次から次へと尿意が湧き上がる・・・すばらしきコカ茶効果!

少し動けるようにはなるが、口をきける状態ではない。しかも身体が動かなくなるほど寒い。ただひたすら寒さと頭痛に耐えながらそれでもあがってくる朝日に感動してシャッターを押す。こんなときに・・・こんなときだからこそ間欠泉の煙の間を縫って山際から昇る朝日が美しく見える。

     
 
 
 

タティオ間欠泉
 


下る途中で温水溜まりに足だけつかり、少しずつ良くなった体調を実感する。何もかも、スケールが違う。ただひたすら広がる大地に自分の小ささを感じる。人はどれだけ頑張ってもちっぽけなもんなんやと。だったら「そんな自分なんやからこそ、ホンマに何を大事に生きていかなあかんのか」・・・ってなことを考え始めたのは、圧倒的な自然の力に打ちのめされ始めてからやった。

 
 
間欠泉近くの温水溜まり


なんとか間欠泉ツアーを終えて宿で仮眠を取る。1時間寝ただけでずいぶん楽になる。今日の午前で分かったこと。高度をなめてはいけないということと。朝・晩の冷え込みが殺人的であるとこと・・・とりあえず防寒具が足りないので、民芸品街に行き、セーター・マフラー・手袋をまとめ買い。全部アルパカ製品で、ありえんくらいの保温力がある。しかもかさばらない。全部で4000円くらいの良い買い物。旅が終わったら全部家族へのお土産にしよ(笑

地平線まで砂漠(岩地)が広がる
異世界


夕方4:00に「月の谷」ツアーがスタート。日本人が二人一緒やったし楽なツアー。高度もきつくなく、それなりのツアー・・・かと思ったら、これがものすごいすばらしいツアー!STAR WARS EPTの背景かと思うような荒廃した土地。草木が生えるはずも無く、ただただ岩と砂だけの世界が広がる。曇り空がいっそう○○感をつのらせる。夕日なんか見れないとあきらめていたが、最後に砂丘に登りきったときに眼下にひろがっていたのはもうすぐ沈み行く太陽だった。徐々に色付ながら沈んでゆく・・・最後、沈みきった後、燃えるように空を赤く染めて暮れていく。沈み切る直前にジュッっと音がしそうな沈み方をする・・・砂漠の夕焼け。

     
 
 
 
砂漠の夕焼け
 


明朝、チリからボリビアへ抜ける。