何も言葉が出ない。
ただ、もし自分に子供が生まれ、育ち、いつか壁にぶつかり・・・
彼(彼女)が自分の力ではどうしようもなくなってしまったとき、
ただ黙ってここに連れてこようと思った。
もう一度この地を踏むことが許されるなら、
そんな時だと思った。
標高3500m、12000kuの塩の世界の中、
白く美しいこの世界の中では、
「人が生きる」というただそのことすら叶わぬ自然の厳しさを痛感する。
この果てしなく続く塩の湖は、
自分が生まれる何万年も前からただここで白く輝き、
死んだ後だって何万年もただここにあるだろう。
・・・
百年やそこらで命尽きる
生き物としての自分のちっぽけを痛感する。
・・・
そんな壮大な自然の中では
本当にちっぽけな自分を
涙が出るくらいしっかりとちっぽけだと認識できる。
何一つ変わらないものがここにあるのならば、
自分は余計なことなど考える必要はなく、
ただシンプルに自分の時間を生きればよい。
どこで生きるんでもいい
何をしてたっていいと思う。
ただシンプルに、
ただ、笑って生きていきたい・・・と。
ただそれだけなんやと。