予定より早く目が覚める。
夜明け前の外がいい感じだったので、目覚まし時計を止めて出てみる。 昇り始める朝日。アルパカの交尾を邪魔する男の子。


朝食を済ませてウユニへ。

そこに何があるのか分からないまま・・・

それでも、そこに何かがある気がして、

静かなドキドキを抱えて車に揺られる。




2時間くらい走ったろうか。

一面真っ白な世界に突入。

青い空、白い雲、白い大地。

はるか彼方まで塩の大地がひたすら続く

雪焼けするのと同じで紫外線が肌に突き刺さる。

サングラスがないと目が痛い。

360°見渡す限り塩。

100km×120km、地平線の彼方までの塩。


   
ただひたすら青と白の空間を走り続け、再び何時間か経った頃。

うっすらと水が張った空間が現れる。

前日の夜中に降った雨が、塩の上にうっすらと2cmほど積もっている。

表面に水が張られることで反射率が増し、紺碧の空と白い雲をそのまま水面に写しこむ。


 
 
     

何も言葉が出ない。


ただ、もし自分に子供が生まれ、育ち、いつか壁にぶつかり・・・

彼(彼女)が自分の力ではどうしようもなくなってしまったとき、

ただ黙ってここに連れてこようと思った。


もう一度この地を踏むことが許されるなら、

そんな時だと思った。


標高3500m、12000kuの塩の世界の中、

白く美しいこの世界の中では、

「人が生きる」というただそのことすら叶わぬ自然の厳しさを痛感する。


この果てしなく続く塩の湖は、

自分が生まれる何万年も前からただここで白く輝き、

死んだ後だって何万年もただここにあるだろう。

・・・

百年やそこらで命尽きる

生き物としての自分のちっぽけを痛感する。

・・・

そんな壮大な自然の中では

本当にちっぽけな自分を

涙が出るくらいしっかりとちっぽけだと認識できる。


何一つ変わらないものがここにあるのならば、

自分は余計なことなど考える必要はなく、

ただシンプルに自分の時間を生きればよい。


どこで生きるんでもいい

何をしてたっていいと思う。

ただシンプルに、

ただ、笑って生きていきたい・・・と。

ただそれだけなんやと。