チェックアウト。フロントの兄ちゃんに駅の場所を聞く。この兄ちゃんがまたいい人で地図をくれて丁寧に教えてくれた。地下鉄MRTを使い、マレー鉄道・シンガポール駅に向かう。ホントはのんびり歩いていきたかったんやけど、兄ちゃんが「絶対無理っ!安いのになんでMRTを使わない?使ったほうが絶対いいって」って言うから乗ってみると一回50円ぐらいであっという間に着く。しかもきれいで快適。地元の人の意見には従うモンやね。で、なんでシンガポール駅に行ったかっていうと、今日の夜にはマレーシアに行っちゃえって思った。理由は「シンガポールにあんまり興味が無かった」のと、「物価が高い」こと。これから1ヶ月の長期旅行が控えてる身には早く物価の安い土地に行きたかった。プラス、1ヶ月という微妙な期間。いろいろ予定を考えてみたけど、もうギリギリ!だったら早く行きたいところへ行ってのんびりしようと。なら、なんでシンガポールinにしたんだって話やけど、まぁ「マレー半島縦断」って響きに惹かれただけだわ。そんなに深く考えてなかったんよね。 で、運良くすんなりと「シンガポール⇒マレーシア・クアラルンプール」の寝台特急を予約して「さぁ、シンガポール観光しよっ」!!・・・・と思うけどすでに暑さとバックパックの重さで気力が失せる。まだ、旅の初心者だったため荷物を宿に預けて・・っていう考えが浮かばず、そのまま17〜20Kgもあるバックを抱えて歩き出す。まずは「血債の塔・日本占領時期死難人民記念碑」。「出かけようアジアへの旅・観光案内に無いスポット」という本で紹介されていた場所。字を見れば何の塔かは想像に容易い。これがオフィス街のど真ん中にいきなりそびえ立っていることがすごい。ここに詳細を書くのはためらわれるため、興味のある人は読んでみてください。韓国や中国・・・その他アジアの国々の「知っておかなくてはいけない事」が分かる。そしてそれらは僕が東南アジアを旅するにあたって行っておかなくてはいけない場所を教えてくれていた。 さて、そろそろ腹も減ったし、なんか食おうと思い、ぶらぶら歩いてる時に歩道にいすと机が堂々とはみ出してる店があった。「繁盛してるからうまいだろう」と座り、適当に頼む。こんがりと焼いたチキンにハーブがいっぱいで、それがライスの上に「でぇ〜ん」と乗ってる。それにスープがついて300円ちょい。これがうまいっ!!初日にしてアタリだった。まわりはほとんどサラリーマンか現地の人。衛生上疑問符が頭をよぎるが旨いからいいしょ。おなかもいっぱいになり、マーライオンへ歩く。すでに荷物が肩に食い込んできてもげそう。ヘロヘロになりながらマーライオンへ・・・「うん、確かにマーライオンやなぁ・・・」ってだけ。でっかくてきれいな方ではなく、その横にある汚くてちっこいほうが元祖らしい。行く機会があればぜひ、そっちと記念写真を下さい。で、疲れたんでその横でごろんと寝転んでたら警備員に怒られた。どうも僕の姿が周辺美化をけがすらしい・・・ 十分に休憩を取り、チャイナタウンへいく。シンガポールのチャイナタウンはきれいで、この数年前から路上美化計画で露店を一掃したらしい。でも、そこは商魂たくましい華僑。「チャイナタウン・コンプレックス」という巨大な建物を建て、3〜4階までのフロアーを全て露店で埋め尽くした。「路上じゃなきゃいいんだろ?」って感じだろうか。ここで持ってき忘れた時計を購入。一通り見たので寺院回りをする。フリマのようなスペースで店をひやかしてたら、話し掛けてくるおっさんが一人。英語と片言の日本語・・・明らかに怪しい。と、思ってるのについつい話し込んでしまうオレ。この人、「蘇 連順」さんといい数年前まで5年間日本(銀座?)で働いていたらしい。奥さんはマレーシア人で、現在シンガポールに単身赴任してるらしい。何でそんなに詳しいかって・・・この人に晩飯食わせてもらったから。いや、警戒はしてたんやけど、どうしてもおごらせてくれっていうから「ま、いっかな」って思っちゃったんだわ。ご馳走様でした。特に危険なこともなく、「マレーシアはここと違って危険だから気をつけなさい」と何度も言っていた。ただ、しつこく「住所を教えてくれ」とも言ってた。「今度また日本に働きに行くからその時連絡する」って。すいません蘇さん。今日書いた住所はウソです。晩飯を食わせてもらっときながらなんということを・・・でも、ホントの住所を教えるのはさすがにちょっとね。でも、ホントここの人は親切で、地図を開いて方向確認してるだけでも「どこへ行きたいんだ?おお、そこか。それなら・・・・」って話し掛けてくれる。いい人が多い場所は観光客にとってとてもうれしい。 で、まだ時間があったからもう一つ寺院を回ろうと思い、そこで事件発生。レンズ交換中にPENTAX純正17〜28mレンズを落としてしまい、真っ二つに・・・あぁ、中古で34000円の一番高いレンズが旅開始2日目にして大破。数分間そこから動けない・・・呆然。なんとか気力を振り絞ってシンガポール駅まで移動。22:15発・深夜特急SM12を駅で待つ。一緒に出発待ちしてたお姉さんは旅人歴1年3ヶ月のつわものだった。肌がそんなに黒くないから何でかと聞いたら「最初の2〜3ヶ月は黒かったけど、だんだん気候に慣れてきて焼けなくなってきた」って。アジアを旅してる人は強い・・・