起床・・・おぉ、そういやもう一人なんやなぁと実感。そう、今日からまた一人旅が始まる。19:40発のチェンマイ行きの寝台列車まで特にやる事も無い。観光のために早起きしてた昨日までと違い、起きた時点ですでに9時半。のんびりと荷物を整理してたら11時をまわってた。チェックアウトの時間が・・・もう過ぎてるし(笑)
とりあえず荷物を宿であずかってもらい、街に出る。
ワールドトレードセンターの紀伊国屋で小説を探してみたり、久々に雑誌を手にとってみたり。観光する気もあんまり無かったし、普通にここで生活してたらどんな感じやろ・・・って思いながらぶらついてみた。バンコクの新宿・・・だったか原宿だったか、一番栄えてるところをぶらぶらと。『最後に土産買うなら何にしよ』とか考えつつね。まだ移動が多いし、土産を買うわけにはいかんかった。
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沈みゆく暁の寺 |
で、夕方、宿で荷物を受け取った後、ワットアルーンに行った。別名【暁の寺】と呼ばれているこの寺は、一応電車の出発地であるホアラポーン駅に近いので、出発間際までここで時間をつぶそうと思い、また、暁=朝日がきれいなら夕日も綺麗やろうってことで、この時間を選んだ。チャオプラヤー川沿いに建つこの寺には、対岸(王宮側)から船で来る観光客が多い。その船だと、日が沈むまでやってなさそうだったので陸路で裏から回る。トゥクトゥクのオヤジともめたりして結構ややこしかったけど、とりあえず日が沈む前に到着。(ちなみにこの旅日記のindexの写真はここから対岸を撮った
写真。)
ぼ〜っとしてると、あまりにヒマそうに見えたのか、黄色い袈裟をきた若い坊さんが話し掛けてくる。「日本語勉強してるんですけど」って。『う〜ん、怪しい。怪しすぎるぞ、坊さん。金の話したら即追い返したる』と、心の中で(あくまで心の中で)思いつつ、話が盛り上がる。どうやらこの坊さん、本物の坊さんらしく、毎日きちんと修行生活を営んでらっしゃるらしい。ただ、職業として坊主を選んだわけではなく、3年の修行生活の後には一般の人として生活を開始するらしい。ただ、その修行生活をすることで、立派な一人前の男としてみてもらえるんやって。ちなみにその人、自分より若かった。実にしっかりした青年で、めっちゃ好感が持てる。ただ、彼の日本語はやっぱり助詞がおかしかったなぁ。なかなか難しいみたい。「何を基準に助詞を使ってるんだ」、って聞かれたけど、助詞って口から勝手に出てくるもんで、頭で考えてへんから説明できへんのよなぁ。大阪弁は特に助詞を省略しまくってるし。
ま、そんなこんなで1時間くらいボーとしてたら、徐々に日が沈んでくる。それに連れて雰囲気が出てくる。日は沈み始めたら結構あっという間で、気がついたら真っ暗。19:00からワットアルンのライトアップがあるという情報があったので、寝台列車の出発時刻が19:40だと分かってても動けなかった。予想だとトゥクトゥクで10分で駅に着けるはず。ってことは19:10にここを出れば間に合うだろう・・・と。
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ワット・アルン
〜ライトアップ〜
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流れ出す音楽。ライトアップされた寺院。対岸とを結ぶボートが出てないので観光客は一人もいない。多分これは対岸から眺めるのが正しい観光方法なんかもしれんなぁ(笑) と思いつつも、ベストポジションを独占して写真が撮れるのはやっぱ気持ち良い。もう夢中でシャッターを切る・・・と、そこで降り出す雨。とりあえず無視。こっちはそれどころじゃない。気も済んで、来た道から戻ろうとしたらそのドアがクローズされてる。『マジで〜!!』心の中で叫ぶ。急いで他の出口を探す。この時点で19:16。『ちょっとやばいんちゃうか〜』・・・焦る。門の前にいた人に大通りの場所を身振り手振りで聞く。大きなバックパックを抱えて走る。大通りまで出て、トゥクトゥクをつかまえて飛び乗る。
「頼むから急いでくれ〜!」って叫んでた。すでにどしゃ降り。トゥクトゥクのお兄ちゃんは濡れた路面を精一杯飛ばしてくれる。爆走と呼ぶに値する走り。さすがはプロやね。この時ばかりはトゥクトゥクに感謝。機動力が違う。お礼に、交渉で設定した値段より多く払い、釣りはいらないと言った。金持ってる嫌味な気持ちではなく、純粋に心からそのセリフが言えた。こんなに感謝したのは久しぶりやわ。
で、駅に着いたらまたダッシュ。昨日買った時計は、触ると時間が狂う事が発覚してたので信じてない。ってか信じたくない。だって、すでに19:40をちょっと過ぎてるんやもん。それでも走る。改札を通り抜け、その辺にいた駅員にチケットを見せ、指差された方向に走る。奇跡的にまだプラットホームに車両がある。その前に立ってる駅員にまたチケットを見せると、笑顔でその車両を指差してくれた。『間に合った〜・・・』って、床にへたり込みそうになった。ホームの時計を見るともう出発時刻を過ぎてる。これがよく言われる「タイの電車は・・・」ってやつである。時間どおりに出ないんよね。それでも、いつ出るか分からんからホームに出て晩メシを買うのも恐いし、とりあえず自分の席を探して濡れた髪を乾かす。腹減ったけど、そんな時にかぎって回ってくるのは水売りのおばさんだけ。仕方ないから、いざって時に食べようと日本から持ってきたカロリーメイトと水でその日の晩御飯を終らせる。
結局、その列車が駅を出たのは19:50。
心地よい揺れに身を任せてうとうとしてると、車掌がやってきて、手際よく椅子をベッドに変形させ、シーツをひいてくれた。落下防止用の柵がなく、いつでも下に落ちれる二段ベッド。バックパックを上にあげたら身動きとれんくらい狭い。幅75cmの長さ175cmってとこかな。うたた寝したせいでなかなか寝れず、そのせいでさっき買った「ホテルアジアの眠れない夜」っていう旅行紀をもう読み終えてしまう。日本の本は「日本での価格+輸送費」で換算されてるらしく、タイの物価から考えたら法外に高い。それでも、やっぱ一人に戻った寂しさと手持ち無沙汰を何とかしたかったんやろね。ただ、出血大サービスで買った本が一瞬にしてただのおもりになっちまった。さて、寝よ(_
_)Zzz