あのタクシーが遠回りしなければ

あの場所で写真を撮ってなかったら

あそこを飛ばしてきてしまったおかげで・・・


「人が生きるなんてことはほとんど偶然で出来ている」


みんながそれぞれ、それぞれの流れの中で生きてて

”ある偶然”のおかげで出会ったり別れたり・・・

それぞれの川が合流したり、分離したり。


それぞれ別々の流れの上を進んでるんやけど、

たまたま同じ「時」を、同じ「出来事」を、同じ「感動」を共有したりして。

日常生活が「ゆったりした大きな川」で

旅は「急流」だ・・・って、それだけの違いだと思う。


日常の生活があるからこそ、流れの質が違う旅を楽しめる


旅は密度の濃い、人生のある区間の縮図みたいなもんで

凄く短いピッチで住処を変え、新しい土地に移り、いろんな人と出会い、

別れ、新しい食べ物やすばらしい遺跡 に感動し、また旅立つ・・・

10年分くらいの変化を1ヶ月に濃縮したようなもんで、

おかげでいつもは見過ごしてる些細なことや

当たり前になってたことも、目に付きやすいし感じやすい。


旅は「自分探し」なんかじゃなくて、「自分を再確認」するんやと思う。

どこに行ったって変わらん自分・・・を、

どこに行ったって結局変わらんのや・・・って。


残り日数が少なくなって、

ホンマに「旅に出てよかった」・・・と。




 
                          27.03.2001 
 
                              わたる